仕事柄、新しい時代の要請や流れを肌で感じることがあります。
その中で個人的に感じている流れがあります。
これからは、一人ひとりが個人業を営む時代にシフトしていくという流れです。会社員を専業でという人のほうが珍しい社会に移行していくと見ています。会社員との両立をしながらなど、グラデーションはあったとしても。
その流れの中で、会社員(正社員)から個人事業主を本業にしたりなど、独立していくという道を歩む方も増えそうです。
でも、そのプロセスは人それぞれです。
よく耳にするケースが、個人事業主になるために行動量を増やすこと。
例えば朝1時間早く起きるようにして、その時間をインプットやアウトプットの時間に充てて、新しいステージに向けて準備を進めていくとか、週末を使って個人業の活動をするとか。
これは、正直なところ、意欲・体力共に恵まれた人とか、「スキルアップ」という言葉で意欲が湧きやすいタイプとか、そういった方々でなければ難しいと僕は感じます。
場合によっては、意欲・体力以前に、スケジュールを修正する能力を備えておくことや、家族の理解を得ておくことなど、事前にやっておくべきことも沢山ありそうです。
要は、いつでも条件が揃っているとは限らないわけです。
でも、タイミングは来ている。
諦めるべきなのでしょうか?
そんなわけは無いのです!
今回は、体力などが揃ってなくても、負担を抑えながら、個人事業主にシフトしていくための、一つのモデルケースをご紹介します。
誰もが同じ道を歩むことはありませんが、事前に考えておく進め方として、心に留めておいてはいかがでしょうか。
皆さんが、自分らしく進めていくヒントになれば嬉しいです。
会社員から個人事業主へ〜橋渡し期間を作る
まず、ここでご紹介する会社員から個人事業主への大まかな流れをご紹介します。
結論としては、橋渡しの期間を作ることです。
では、それぞれ見ていきましょう。
STEP1.会社員
まずスタート地点です。
正社員など、フルタイムの正規雇用から始まった場合、この地点から始めることになります。
STEP2.フルタイムの非正規雇用へ切り替え
まず、非正規雇用に切り替えます。
或いは、ここがスタート地点の方もいらっしゃるかもしれません。
今までいた職場で、非正規雇用に上手く切り替えられれば良いですね。
ただ、ここは退職して、派遣やアルバイトで転職するほうが、今後の流れを考えると動きやすいかもしれません。
最初のの時点ではフルタイムがお勧めです。言うまでもありませんが、フルタイムのメリットはこんな感じ。
- 給料が良い案件が多いからです。
- お給料を一気に減らすことによる心理的な負担を和らげる。
- 次の、STEP3に進めやすい。(詳しくは、後ほど)
ところで、ここまで読んでいたいただいて、こう思う方もいらっしゃるかもしれません。
非正規雇用はちょっと……
そう思った方は、ちょっと考えていただきたいのです。会社員としてのキャリアは、今後、必要なのでしょうか?
思い切って捨てて良いと僕は考えています。「失敗したらどうしよう」という不安があるだけですから。アメリカの調査ですが、不安の実現率は4%という統計があります。降水確率4%の予報が仮にあったとして、傘を持って出るでしょうか?
参考記事:心配事・不安の96%は起こらないことが判明―アメリカの調査
万が一、不安が的中して個人業を諦めることになっても、経験は残ります。それが何よりの財産だと思うのは僕だけでしょうか?
まずは、この新しい職場で、しっかり仕事を覚えて働かせてもらいましょう。ここでの目標は、(新しい)職場からの信頼を得ることです。
この時点では自分の個人業のことは今しばらく控えることになります。これが次のステップで大切になってきます。
派遣に切り替えるのはお勧めです。派遣会社が派遣先との交渉時に間に入ってくれるので、こちらの希望を伝えやすいなど、職場との関係作りのためのエネルギー消費が抑えられるからです。
ただし、直接、職場と交渉するという経験値を積む機会は失うので、そちらの経験値が欲しい場合は、敢えて業務委託などの道を探るのも良いかもしれません。
STEP3.フルタイムから週3~4に減らす
2の職場で、信頼を得たのち、週3~4日の勤務に切り替えさせてもらいます。
様々な条件が考えられるので、なんとも言えませんが、早ければ非正規としての勤務開始から半年くらいでも切り替えができるかもしれません。
ポイントは、やはり2のところでも触れましたが、職場との信頼関係を築いておくことです。
また、自分が個人事業主に移行中であることも、それとなくアピールしておくことも大切でしょう。
職場と信頼関係があるほうが、週3~4に切り替えるという要望に耳を傾けてくれ易くなります。
職場のほうも、新しい人を追加するよりも、信頼できる人に長くいてもらうほうが良いと考えますから。また、今後の方向性をアピールしておくことで、こちらの選択に理解もしてもらい易くなるわけです。
この辺りから、個人業の動きに、かなり時間を割けるようになってきますので、いよいよ本格的にそちらを育てていきます。
補足
「ココナラ」というウェブサイトがあります。「スキルマーケット」と銘打っているように、様々なスキルを持った方々が、気軽に自身のサービスを提供することができます。STEP2くらいから、こういったサービスを利用していくのも良いかもしれませんね。
僕自身は使ったことが無いので、詳しいことはお伝えできませんが。
STEP4.独立(フルタイムの個人事業主へ)
個人業がある程度まで育ったら、非正規のほうを手放してフルタイムの個人事業主にいよいよ切り替えます。
実はこれは、、、
「モデルケース」なんて書きましたが、実は僕の実体験がベースになっています。
途中でお気づきだったかな? 笑
僕の場合、事前に意図していたわけではなく、結果として、こういう形になったというのが正直なところでした。
でも、これは案外良い流れだったなと感じているので、今回、一つのモデルケースとしてご紹介させていただくことにしました。
ちょっとした失敗談をお伝えすると、僕は2の時点で、最初、派遣先の仕事を覚えるよりも、自分業の活動を広げるほうにエネルギーを割き気味になってしまいました。
その結果、なかなか仕事が覚えられず、職場とのトラブルになり、信頼を損なったことがありました。すぐに態度を改められる状況だったので、大ごとにはならなかったのは幸いでした。
STEP3の週3~4日に減らすのは、ちょうどちょうど職場のほうでも非正規雇用を減らすという全社的な方針転換があったタイミングと重なり、よりスムーズに移行でした。
このプロセスでは、こういうラッキーに支えてもらえることも沢山ある筈ですよ!
まとめ
会社員から個人事業主にシフトする道を、僕の体験をベースにした、モデルケースをご紹介しました。
もちろん、この通りに進められるとは限りませんし、思わぬ形で、一気に前進してしまうことも大いにあり得ます。そういう「流れ」の状況にも目を配りながら、物事を進めていくことになるでしょう。
時に、千本ノックよろしく、頑張る時も必要かもしれませんが、今回は、負担を小さく抑えながら、無理なく個人事業主へシフトしていく道のモデルケースをご紹介しました。
こういう進め方もあって良いのです。
関連記事
個人事業主になるには「開業届」を税務署に提出します。
コメント