「ミニマリストなんですね」
「いつも片付いてそう」
自宅を兼ねた“北鎌倉サロン”には、お客様がちょくちょくいらっしゃいます。お越しいただいた方々を中心に、こういうふうに言ってくださいます。
ただ、自分では内心「そうもないと思うけどなぁ」と感じています。といって、別に自分を卑下しているわけではありません。自分としては、片付けは大の苦手だからです。新しい物を買ってくると、しまう場所が決まらずに、ずーっと机の上に置きっぱなしになっていたりとかは日常茶飯事です。
一方で、人は意外と相手のことが見えているもの。冒頭のように言ってもらえるのも真実なのでしょう。
片付けられない自分が、何故「部屋が片付いている人」と言われるまでになったのか。今回は、そのきっかけになったエピソードから、普段、意識していることをご紹介します。
汚部屋になっていた
思い起こすと、10代、20代の頃。
僕の机の上は物で溢れかえっていました。当然、それは床までも。当時は収集癖もありましたので、物は増える一方でした。両親も片付けが苦手でしたので、半ば「遺伝だ」という諦め感も持っています。
その流れが変わったのは2009年のことです。
折しも「断捨離」という言葉が、少しずつ一般的に使われ始めた頃でした。
当時の僕はイギリスのロンドンに留学中。向こうで知り合った日本人の方に「この本、面白いよ」と勧められて読んだのがきっかけです。
ある女性経営者の書いた本で、その中の一節に衝撃を受けたのです。
大事なのは片付いてることではなく!
私は、自宅のどこに何があるかを全て把握しています。
表現は正確ではないと思いますが、こういったことが語られていて、そこに衝撃を受けたのです。
自分も、そういうふうになりたい!
著者の方は、女性ということもあり、子育てと会社経営を両立されていました。とは言え、仕事柄、出張などで家を留守にすることは多かったそうです。
例えば出張中など、数日、家に戻れないようなタイミングで、お子さんから「○○ってどこにあるの?」というような電話が、しばしばかかってくるのだそうです。
爪切りかもしれません。
猫の餌かもしれません。
そんな時に、「どこの棚の、何番目の引き出しにあるよ」などと答えられるようになっているというのです。
そうだ。大事なのは片付いていることではなく、どこに何があるか把握できていることだ!
結論
ただ、僕の場合、片付けスキルが低いわけですが、記憶力も低い。どこに何があるか記憶するのも苦手。でも、そこを改善するとなると、一朝一夕ではどうにもならない。それなら、どうするか?
それで辿り着いた結論。
物の絶対量を減らす!!
これなら、片付けスキルを学んでも身に付けるまで時間がかかりますし、記憶力に頼る必要性も低い。
ということで、結果として断捨離と同じような目標を持つに至ったのです。
こうしで僕なりに、ザックリ考えたルールの一例。例えば服。
- インナーは1週間など、ライフスタイルのサイクルで回せる以上は持たない。
- ジャケットなどの上物は、似た機能やデザインのものはいくつも持たない。
- 1年以上、使わなかったら処分することを検討する。
服の他にも一部の家電(テレビ、炊飯器、電子レンジなど)のように便利だけど価値を感じない物や、好きなんだけどライフスタイルに合わない物は手放す方向で検討するようにするなどをしています。小物を飾るのも掃除が面倒なので、極力やめました。
- 少しずつ少しずつ物を減らすようにする。
- 物を買うことは極力最小限に留めるように心掛ける。
- 同じ機能のものは複数持たないようにする。
そうしている内に、気がついたら「いつも部屋が片付いている人」というイメージを持たれるようになりました。
まとめ
片付けが大の苦手な僕が何故か「部屋が片付いている人」と人からは見られている。そう言ってもらえるようになったきっかけと、心掛けていることについてでした。
お読みいただければお分かりかと思いますが、実際には「片付けができる人」ということではないんです。「できるだけ物を減らすようにしている人」という感覚のほうが実情に合っているんですよね。
ちなみに、心を扱う仕事をしている人っぽいことを付け加えると、その人の部屋の状態って、その人の潜在意識の状態が反映していると言われます。机の上に物が積み上がり始めると、やはり疲れやすくなったり、集中力が続かなくなったりします。どこか頑張り過ぎて疲れていて、心にゴミが溜まっているという見方ができます。逆に机の上が片付くことで、心の面でも片付いたり軽くなったりすることはよくあります。
体をキレイにするということでお風呂に毎日入るわけですが、心をキレイにするということで机の上などを掃除することも大切になりますね。健やかに暮らすために。ってコレ、半分、自分に言ってます笑
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