HSPなどの繊細族に必要なのは、ナイフの刃を研いでおくようなこと〜ちゃんと研いだナイフのほうが結局は安全

HSP(Highly Sensitive Person)に代表される繊細族、敏感さんと僕が読んでいるカテゴリーの人たちがいます。

本稿では「繊細族」で統一します。

この種の人たちは、感じたくもないものを感じてしまいます。

例えば他人のネガティブな本音とかが、見る気も無いのに透けて見えてしまったり。

その他、強い感情を出している人がいる場面に遭遇したり、光や音などの大きな刺激に、いちいち大きく反応してしまい、休まる暇がありません。

当人は望んでいるわけではないのでストレスです。

そんな自分の扱いきれない感覚に「もっと鈍くなりたい」って思わず考えてしまいます。

僕もそうでした。

ところが、下手に鈍くさせてしまうと、デメリットのほうが大きくなってしまう場合があります。

どんなデメリットがあるかは、後ほど触れます。

ナイフって、ちゃんと研いであるほうが結局は安全ですよね。思い通りに切ったり削ったりしやすくもなります。

同じように、繊細族は、その感度の“刃を研ぐ”ことをしてあげたほうが、結局は楽に生きられるようになります。

目次

HSPの概念を知って変わったこと

僕のことを少し書きたいと思います。

“HSP”というものの存在を知ったのは、今から数年前になります。

これは、僕の人生にとって大きな転機になったものの一つです。

“HSP”は“Highly Sensitive Person”からきており、一般に「繊細さん」と呼ばれたりしている、ある心の特徴を持った人たちのことです。

HSP度を測る簡単なテストを受けてみると、僕はHSP度が高めでした。

「ああ、そういうことか~」

HSPのことを知れば知るほど、肩の力が抜けていきました。

子供の頃から自分で自分の“欠点”だと思っていたところが、ただの“特徴”に変わったからでした。

欠点だと認識していたので、必死に隠そうとしたりカバーしようとしていました。

まるでブレーキを踏みっぱなしのような生き方をしていたので、自分に合った人間関係や職場に辿り着けず、居場所だと感じられる場所がありませんでした。

そういう場所を見分けることがきなかったのです。

HSPを知って以来、HSPが故に表に出ないようにしていた要素を、人生という現場で使い始めました。

生業として提供させていただいている個人セッションは、その最たるものです。

痛みを感じないようにしたい

「痛みの感覚は嫌だから、痛みは感じないようにしたい」

「もっと鈍くなりたい」というのは、例えて言えば、こう言っているのと同じようなものです。

これを言っている人がいたら、違和感を感じますよね。気持ちは分かるけどさ、みたいな感じで。

痛みは触覚の感覚の一つです。

痛みを感じなくするということは、その他の触覚、触れたときの感触や温度を感じたりすることも無くなるか、少なくとも感覚が大幅に鈍ることになりますよね。

繊細族が「鈍くなりたい」というのは、これをやろうとしているのと同じようなリスクがあります。

布越しに何かに触れても味気ないですよね。でも、この「布」は自分でかけたようなものですから、であれば、それを外すことも自分でできますよね。

裸足になって歩くようなもの

ハイキングとか登山に行くと、よく裸足になって山道を歩くんだっていう方に、こんな話を聞いたことがあります。

その方の話を聞いた方は、口を揃えて「そんなのできない〜!」と拒絶します。

「裸足になったら、尖ったものを踏んだりとか、危ないじゃないですか?!」

などという反応が返ってきます。

その時、彼は必ずこんな話をします。

裸足で歩いていると、足の裏の感覚が養われる。だから尖ったものなどを踏みそうになっても、パッと気がついて足を引けるんだよ。靴とかを履いていると、そういう感覚が効かないで、結局は踏み抜いてしまうことになって、実は危ない。

実際、僕もハイキングなどで裸足になります。

最初は慣れない感覚に少し戸惑いますけど、次第に気持ち良くなってきます。

サウナ好きの方が仰る「ととのう」感覚に近いものを味わうことができます。

アーシングにもなるので一石二鳥です♪

「繊細さの感度の“刃を研ぐ”」ことは、こうやって「裸足になる」ようなものです。

多くの繊細族の方が「裸足になったら危ない」と考えているようです。

繊細族は、他人の思考や感情をエネルギー的に受け取ってしまう。これが、いつの間にか蓄積して疲れてしまう。

“刃を研ぐ”と、例えば自分の中にあるエネルギーを見る解像度が上がります。

解像度が上がれば、他人のエネルギーの影響なのか、自分が単純に疲れているだけなのかを区別することができるようになったりします。

原因が分かれば対処が簡単ですし、無駄なことにエネルギーを費やす必要も減っていく。

こんなふうにエネルギーのロスが減っていくので、それまでロスしていたエネルギーを建設的な方向に振り分けたりできる。要するに、ゆとりができるので、生きるのが楽になるのです。

繊細さに蓋をするデメリット

先日、この手の話をしていたら、ある友人がこんなコメントをくれました。

自分に蓋をすることで、自分の本当にやりたいことまで分かんなくなっちゃった、みたいなことが起こっちゃってたかもしれないです。

これです。

要は「自分が何をしたいのか、自分で分からない」状態になってしまうわけです。

僕も、20代の頃とか「自分の夢を持つことが夢」みたいに思っていました。

30代に入ったら、そのことすら無視して生き始めてしまうのですが(笑)

まとめ

繊細族として生きていると、「鈍くなりたい」と思わず考えてしまう場面に何度となく遭遇します。

でも、実際には繊細さの“刃を研ぐ”ようにしたほうが、繊細さのデメリットから解放されていきますよ、ということについて書きました。

ただし、現実問題としては個々の置かれた状況があるので、単純に「鈍くするのがダメ」ということではありません。

鈍くしなければ自分を維持できない状況もありますから、そういう期間にも価値はあります。ただ、ある時点から、それのデメリットしか残らない状況に入ってきます。

繊細族に生まれついたということは、繊細さを活用することが、自身の“人生の目的(ライフミッション)”を果たすために必要なツールでになっているということも意味しています。

人生の目的は生きがいと繋がっています。

せっかくの天与の才能ですから、多くの方に活用した人生を送っていただきたいなと願っています。

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