HSPのトリセツ。HSPの「理解してもらえない」という原体験が疲弊を助長する

HSPというの言葉ご存知でしょうか。

Highly Sensitive Personの略で、生まれつき感受性が強かったり、人一倍繊細だったりする特徴を持ったタイプの人々のことです。

その特性からくる特有の生き辛さのため、ちょっとしたことで、すぐに疲弊したりしてしまうと言われます。

今回は、特に人との(中でも対面の)コミュニケーションにおける疲弊を避けるコツについて、ご紹介します。

目次

基準を下げ、浅いところで

結論を最初に書きますと、自分の中の「コミュニケーションの深さ」の基準を下げ、70~80%程度に留めて、人と関わることが、その方法です。

力を抜くというか。

解説していくにあたって、まず知っておかなければならないことが2点あります。

1点目は、人口の8割程度が非HSPであること。

二点目は、HSPには、その性質からくる原体験ゆえに、人と(心の)深いレベルでコミュニケーションをしたいという強い願望があるとういことです。

それだけな良いのですが、疲弊の原因となるのはその願望の裏返しで、目の前の相手も自分と同じ願望があるだろうという前提を、無意識に作って人と接してしまうことです。

どんな時も「深いコミュニケーション」を取ろうとしてしまう。半ば無自覚に。

この「深さ」は、HSPであるがゆえに(半ば強制的に)育まれたもののため、相手が同じHSPであるか、コーチなどのように、役目柄、その方向でトレーニングを積んでいる方でないと、その深さは扱った経験がありません。だから、誰にも悪意は
無いのですが
、HSPから見ると、結果としてスルーされたような形になります。

暖簾に腕押しみたいになって、つんのめりながら、でも転ばないようにバランスを取りながら。

みたいな状態でコミュニケーションを取っているようなものです。不要なエネルギーを消費してしまいますよね。

加えて、単に「深いコミュニケーション」をするということだけを取っても、大きなエネルギーを必要になります。

このエネルギーの浪費が、消耗・疲弊に繋がる原因の一つです。確かに、「深いコミュニケーション」が通じた時は、大きなエネルギーが循環するので、とても満たされた感覚を味わえますが。

では、どうするか。

それが、冒頭に書いたように、自分の基準を下げることです。

自分の感覚を基準にして70~80%程度の「深さ」でOKとするんです。何なら50%程度という感覚でも大丈夫かもしれません。

個人差があるでしょう。

敢えて、浅い所で留まりながらコミュニケーションを取ることは、物足りないかもしれませんが、どのみち、自分が本当に扱いたい深さでのコミュニケーションは起こりにくいのです。

可能性の低い深い所でのコミュニケーションの成立を探る。

それよりも、可能性の高い、浅めのところでのコミュニケーションの循環を狙います。

HSPの原体験と、その背景

「深いレベルでコミュニケーションしたい」という願望がHSPの中で育まれる背景を書いておきたいと思います。

それは「誰かに理解されたい」という願望があるからなのですが、その願望の出所を知ることで、少しそこから(心理的な)スペースを創ることができます。そうすれば、前項の「基準を下げる」ことが、より取り組み易くなります。

「理解されたい」願望の背景には、ある原体験があります。

繰り返しになってしまいますが、HSPは、人一倍感受性が強く繊細です。

非HSPの方々が気づかないことを感じてしまいます。

でも、それを誰かと共有することが難しいんです。

たまたま身近にいる相手が、自分と同程度以上の強度のHSP気質だったり、そういう感じている世界の違いを理解している人でなければ、受け取ってもらえたり、共感してもらえることは、殆どありません。

「何を言ってるか分らない」となります。

猫が突然、空間を凝視するのを見たことはありますか?「何ごと?」って、そちらも見てみても、そこには何もないことが多い。

「何もないじゃない。。。」

相手にとっては、正にそんな体験になってしまいます。下手をすると、その豊かな感受性が暴走して、「この人は、わたしを
否定している」みたいに自分で自分を攻撃してしまったりすることもあります。

こうやって、「理解されない/共感されないという体験が、心に積もりに積もってしまい、それがゾンビのように「誰かに理解されたい」という願望が形作ってしまいます。

共感されることへの飢えがある

人の心は見ることができません。

そのため、私たちは、放っておくと、人も同じものを持っていると想像しがちになります。それをHSPの人がやると、周りの人たちも「共感に飢えているに違いない」となる。

そこに、これまた繊細さゆえに身に着けた持ち前の優しさから、知らず知らずに「深いコミュニケーション」をサービスしてしまっているのです。

誰かの役に立ちたいという、私たちの持っている根源的な願いが裏目に出てしまったことになりますね。

もう、こんなことで自分を疲弊させる必要は無いのです!

参考リンク

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まとめ

HSPがコミュニケーションが楽にできるようになるコツをご紹介しました。

「深い」ところでのコミュニケーションが成り立った時の味わいは、とても深くて静かでパワフルです。これを味わえるのはHSPへのギフトだと思います。

ちなみに、かく言う僕自身もHSPを生きてきています。

HSPの程度の尺度もあり、人それぞれですが、どうも、僕は強に分類されるようです。それによって、生き辛さも味わいましたが、コーチングと出会って、逆に生きる力に変換できるようになってきています。

僕の場合は。

有り難いことです。

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