2021年、最初に本格的に読んだ本がコチラ。
年が明けたので、一昨年によく売れた本だ。
表紙に印刷されている著者の柔和なお顔立ち。
そして、“メモを扱う”ということで、勝手にクールなタイプを想像していた。
しかし、これらの僕の勝手な想像は見事に裏切られることになった。
もちろん良いほうにだ。
どんな風に裏切られたのか。そこからまずは入っていきたい。
自分を高温側に育てる
意外なことに、とてもアツい方だったのが、随所から伝わってきた。
最後に勝負を分けるのが、熱の大きさです。その熱の光が、すべてに通ずる道を照らします。(中略)熱は高温側から低温側へ伝わります。
(P.196)
メモを取ることで、いや、メモ魔になることで、自分の熱量をどんどん上げていくことができる。読んでいると、熱量が上がったら、楽しそう、豊かになりそう、というワクワク感が湧き上がってくる。
そして、結果として燃えカスや不要になったようなものも、メモに取ることで、脳から追い出してしまう。(これで、脳のメモリを開放してあげられる。そうすれば、本当に集中したいことや新たに現れた事象に、脳のリソースを集中することができるようになる。)
自分を「高温側」に置くことが、これからの時代を生きていく上での鍵になるというのだ。
本書は、もちろんメモを取ることのメリットや、実際のノウハウにも、かなりのページを割いている。
しかし、ノウハウは、どこかのタイミングで、自分用にカスタマイズされていって然るべきものだ。
となると、ノウハウよりも、自分の熱量を上げていこうという姿勢こそが重要なのだ。
極端に解釈すれば、熱量が上がるなら、ノウハウは二の次ということだろう。
「やりたい」という気持ちのほうが大切
アツいだけではなく、優しさにも溢れていた。
メモを取ることで熱量が上がってくる。そうすると、自分のやりたいことが、段々と明確になってくる。
その時、そのやりたいことが卑近に感じてしまったりして、歩みがストップしてしまっては勿体ない。
欲求は階層状になっているので、これらの欲求をクリアしたら、また高次の欲求にシフトしていくでしょう。
(P.192)
これは、僕の専門分野で扱う「成人意識の発達理論」にも通じる。
発達段階毎に主となる欲求が変容していくのだが、下位の段階での欲求を深く満たしておくほどに、上位の段階に移行したときに、よりパワフルになれる傾向がある。
(ちなみに、現代の日本人は、下位の段階を十分に満たせてない傾向が強い。)
メモは、人に見せるモノではないし、ましてや欲求もオープンにするばかりが能ではない。
仮に必要に迫られたとしても、具体的に表現せずに抽象的に表現することだってできる。
どうしても遠慮してしまうというおくゆかしい方は、欲求に対してOKを出していくことをお勧めしたい。
3つのカテゴリー分けがメモに立体感を与える
ここまでノウハウよりも大事なモノが書かれている!という感じで進めてきた。
とは言っても、やはり、ここで紹介されているノウハウは参考になった。
本書で紹介されているノウハウの特徴は
ファクトや主観→抽象化→転用
という流れがあることだ。
僕は、メモを取ることはよくやっていた。
ただ、どうしても「単に書き散らかしているだけ」という印象が残ってしまっていた。
この3つのカテゴリー分けができておらず、1箇所に集まっていたために、そう感じていたのだと分かった。
特に重要なのは転用。「転用」とは、実際の行動ベースにまで落とし込むということだ。
これは、後述するミーニンングノートのノウハウでも強調されている。確かに、メモを取ったとしても、ただ、事実や主観を書いて終わりということは多い。
「ファクト」を書いた左ページから、今度は右ページに目を移します。そして、こう考えるのです。
「ここで書いた具体的な情報を受けて、何か言えることはないか。そこに気づきはないか。他に応用可能な法則はないか」。
こうした思考作業を僕は、「抽象化」と呼んでいますが、自分が見聞きしてインプットーしたファクトを、右ページでより一般的な概念に抽象化することが、ファクトを書いたあとのステップです。
慣れないうちは、まずはファクトを書き切るところから始めてみてください。
次第に慣れてきたら、ファクトを書きながら、同時に右ページに移って、リアルタイムで抽象化もできるようになってくると思います。
(P.50)
実際の行動ベースまで落とし込むのが習慣化する、つまり半自動化したら、相当の行動力が身に付くだろうというのは想像に難くない。
実際にやってみて、慣れが必要だなというのは確かに感じる。
ここは、時間をかけて育てるべきところだと心得る。
ミーニングノートとの併用に手応え
僕は昨年の10月の末頃から、ミーニングノート(以下「MN」)に取り組み始めている。
これを書いている時点で2ヶ月ちょっと継続していることになるのだが、ボディブローのようにジワジワと効いてきているのを実感している。
なんというか、軸のブレが少なくなって、1本の道を歩んでいるような手応えがある。
MNは、基本的に、その日の最後に、1日を振り返って(3つのチャンスを)綴るもの。
今回の『メモの魔力』で得たノウハウは日中に綴ることになる。
メモがそのままMNの下書きのような役目も果たしてくれるし、MNが日中のメモたちの流れを整えてくれるので、一石二鳥以上だ。
ジャーナリングには随分前から注目しており、実際に記事にしたこともある。(あとでリンクを貼っておくので、参考まで。)
この2つが、僕のジャーナリングのベースになってくれそうな手応えだ。
出版から2年が経っている本だが、僕にとっては、今がタイミングだったようだ。
最後に
『メモの魔力』を読んでの記事を書きました。
本書は、よくある「忘れてしまったアイデアは重要ではないからなのだ」という考え方に懐疑的な視点を持っている。
僕も、本音は著者と同じだったが、現実問題として、上手く書き残すことができずに、やむなく「重要ではなかった」という立場を採っていたように思う。
これで、ファクト(心に刺さった言葉や引っかかる表現など)を心置きなくメモできるようになった。
本書を読んで、改めて「メモ魔になろう」と決意を新たにしている。
あわせてチェック
本書では、メモを取るノートやペンは、好きなデザインを選ぶことが推奨されている。そんな中、僕が選んだのはコチラ↓↓だ。
ノート↓↓
ペン↓↓
念のため、ミーニングノートのリンクも貼っておきますね↓↓
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